今回の有価証券報告書の6ページの図にも記載されている通り、「再生・細胞医療については、早期承認をベースに自社での第三相まで実施・販売を検討」と新たな方針が打ち出されています。
ですから、iPS‐Tについては、ブラパスとアカデミア(順天堂大・東大)との共同研究で第三相まで進めていく方針と読めます。
➡この点については、ブライトパスに訊いてみましたら「再生・細胞療法については、一般の薬剤と異なって、再生・細胞療法特有の専門的技術を必要とするので、自社で継続的に行うことが得策な場合もある」とのことでした。
さらに同報告書の39ページに「iPS-Tの研究開発活動」として「平成28年12月に、株式会社アドバンスト・イミュノセラピーを子会社とし、中内啓光東大医科学研究所教授験スタンフォード大教授等が創製した同社の技術を承継して、iPS細胞由来再生T細胞療法に関する研究開発を開始しました。適応症は、ウイルス性血液がんの一種であるEBウイルス性リンパ腫としております。」と書かれています。
39ページの図によると、未だ「基礎研究」の段階にあるようですが、実際のところはもう少し先に進んでいるようです。
先般、ご報告しましたメルボルンで開催されていたISSCR(国際幹細胞研究学会)で安藤美樹先生が口演(iPS-T細胞療法の前臨床試験)」され、いよいよ次のステップへのプロローグのようにも感じますし、
また、ある資料(「KAKEN 研究課題をさがす」)によると、
「免疫チェックポイント阻害剤との併用効果の有無についても検討を行っている」
「前臨床試験にご登録いただいた患者数も当初の目標を大きく超え、多くの検体より抗原特異的CTLを誘導でき順調にT‐iSPを樹立できている。既に若返りCTLを誘導確認後、T細胞機能評価を行えるものもあり、計画どおり概ね順調に進展していると考えている。」
との情報も確認できます。
皆さんご存知の通り、T‐iSPには、安全性を高めるための自殺遺伝子iCaspase9による細胞死誘導システが導入されており、副作用を薬剤で事後的にコントロールできるという優れものです。
蛇足ですが、本件の特許関係は、国内では昨年7月19日に特許登録されています。ブライトパスの子会社(アドバンスト・イミュノセラピー)が、独占的実施権を付与して共同研究を実施しています。
ちなみに、この特許は2013年5月22日に出願され、その後当局との気の遠くなるようなやり取り(履歴を見るとすごい)を経て、5年越しで承認を得ています。中内先生の並々ならぬ思い入れが窺い知れます。
次のIRは、どのような内容かは分かりませんが、「iPS‐Tの次のステップ」のような前向きなIRを出してくれれば、もともと燃料は備蓄されていますので、点火すれば面白くなるのですが、、、
→東大リンク先https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00412.html
→「KAKEN研究課題をさがす」https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K09842/
→ブライトパス・順天堂大共同開発i
https://www.brightpathbio.com/pipeline/ips-t.html