ブライトパス・ストーリー

バイオベンチャー、とりわけブライトパス・バイオ(4594)についての情報を発信するブログです。細かな情報をより深く過不足なく丁寧に発信していきますので、よろしくお願いします。

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記事:今日の夕方に出された「IR」について

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夕方に出されたIRには、意表を突かれました(笑)。
当面、ネガティブ情報があるとすれば、「富士フイルムからのネガティブな追加IR」だけと思っていましたので。

今日出たIRをじっくりと読んでみるとポイントは三つです。
1、
➡原文引用「この度当社は、東京大学及び順天堂大学との間で進めてきた EB ウイルス由来リンパ腫を対象とする iPS
細胞由来再生 T 細胞療法(以下、iPS-T)にかかる共同研究(以下、本共同研究)を終了することを決定しましたのでお知らせいたします。

正直、驚きました。5・17直後のIR(お知らせ)は、さすがに前向きな材料だろうと思い込んでいたからです。
この「共同研究の終了」という響きは良いものではありません。
ただ、この難しいタイミングでこのような一見ネガティブな「適時開示」を出すからには、相当の理由があるはず、と先を読み続けることにしました。

2、
➡原文引用「当社は iPS-T を最初の細胞医薬品開発プロジェクトとして探索研究を進めてまいりましたが、がん免疫
療法の領域で CAR-T(キメラ抗原受容体遺伝子導入 T 細胞)に代表される T 細胞医薬品の存在感と期待が
世界的に高まる中、当社も細胞医薬パイプラインの構築をより加速化し、積極的に推し進めるために、細胞
医薬ポートフォリオを導入検討中のものも含めて見直し、この度東京大学および順天堂大学の合意のもと、
本共同研究の中止を決定いたしました」

ここでのポイントは
①細胞医療パイプライン構築の加速化
②導入検討中のものも含めての見直し
の二点です。
確かに世界を見渡せばCAR-Tの出現以降、スピードが加速しており、ブライトパスも時間との戦いを強いられています。
とにかく、がん免疫医療は日進月歩です。常にアンテナを高く張って素早く情報を整理して、どんどん対策を柔軟に進化させることが必要です。
おそらくは、中村新取締役はこの分野に強く、海外動向も熟知しているので、彼が中心となって決断したのではないでしょうか。

iPS-Tは、安藤先生が着実に育てておられますが、世界の動向の中ではスピード感で劣るのかもしれません。ブライトパスのパイプライン一覧を見れば、そのことは歴然です。

また、「導入検討中」とは意味深です。新たなパイプラインの導入があるのでしょうか。

3、➡原文引用「当社が本共同研究で目指した iPS 細胞技術のがん免疫療法への応用は、今後当面の間は、平成 30 年 3 月
29日に導入オプション権取得を発表した理化学研究所との他家iPS 細胞由来再生 NKT細胞療法(iPS-NKT
の共同開発において進めてまいります。その他 iPS 細胞技術によらない T 細胞医薬の新たなプラットフォ
ーム技術の導入も継続的に検討してまいります。また、細胞医薬に拘わらず開発ポートフォリオ全体につい
ても、研究員、研究資金など開発リソースの戦略的分配による最適化を行ってまいります。」

しかも、同じiPSで先の段階に進んでいるiPS-NKTがあるので、重複感は否めませんでした。
心情的には寂しいものがありますが、理に叶った判断と言えます。
「新たなプラットホーム技術の導入も検討されて」おり、今後の展開にも期待が出来ます。

ITK-1は、一世代前の産物であり、
iPS-Tは、スピード感の観点から、ドロップされたのだと思います。

限られた資金力、限られた時間、限られた要員の中では、ベストの選択肢を求めて、常に変化していかなければ勝ち残れません。
「茹でガエル」になってはいけないのです。
座して死ぬわけにはいかないのです。

株価は当面は下がるとは思いますが、もし数年後に「大成功したブライトパス」があるとするなら、今回の選択は大きな重要なターニングポイントだったと評価されることになると思います。

それにしても、この会社について行くのは骨が折れます。

➡本日の「適時開示」
http://pdf.irpocket.com/C4594/xzRw/OL34/JFRZ.pdf

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