二日前にいつもの本屋に立ち寄った時には、新刊コーナーに並べられていなかったので、つい最近の新刊だと思います(調べたら、7月30日発刊でした)。
山中伸弥先生が、昨年毎日新聞に月一で連載したコラムをまとめて、それに江崎玲於奈先生と囲碁の井山裕太氏との二つの対談を追加し、さらに、「iPS細胞研究の歴史や現状・課題」などをまとめた内容の新刊本です。
私が立ち読みしていて、興味を持ったのは第8章の「iPS細胞と再生医療研究の現状」です。これはじっくり読みたいと思い、1300円をパスモで購入しました。
第8章には、iPS細胞の実用化に向けた様々な取り組みが紹介されており、「iPS‐NKT」とは書かれてはいませんでしたが、「iSP細胞から免疫細胞を作り、がん患者に投与してがん細胞を攻撃する研究も進められている」と書かれていました。
今後は、「拠点A」「拠点B」のプロジェクトを中心に、治験開始の吉報が続くものと思われます。
読み物としても面白く、山中先生の勤勉さや謙虚さがにじみ出ていて、好感のもてる1冊に仕上がっています。
今回の、京大によるパーキンソン病対応のiPS療法治験開始のニュースで、再生医療が再び脚光を浴びていますが、そのタイミングを知っていたかのような新刊の発刊日(裏表紙を見ると7月30日)には、苦笑してしまいます。