ブライトパス・ストーリー

バイオベンチャー、とりわけブライトパス・バイオ(4594)についての情報を発信するブログです。細かな情報をより深く過不足なく丁寧に発信していきますので、よろしくお願いします。

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記事:「先駆け審査指定制度」について思うこと。

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記事→4月8日、厚労省から第四回目の「先駆け審査指定制度」の対象品目が発表されました。

それに伴い、オンコリスバイオやサンバイオなどの株価が大きく反応しました。特にオンコリスは8日中に「中外製薬との資本業務提携契約締結、ライセンス契約総額500億円以上(※注)」と発表されたことで、本日ストップ高が継続しています(サンバイオは、本日は下げています)。

(※注)オンコリスのIRを読むと、「ライセンス契約一時金は5.5億円。オンコリスは8億円相当の普株を新たに中外に発行。500億円とは、臨床試験で一定の効果が確認され、中外が独占的オプション権を行使した場合の見込みライセンス料」で、500億円の収益が完全に確定したわけではありません。

皆さんもよく耳にはされていると思いますが、「先駆け審査指定制度」について、少しご説明したいと思います。

「先駆け審査指定制度」とは、

⇒もともとは、海外で承認済みの薬品が日本ではなかなか承認されない(ドラッグラグ)という課題を解決するために、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)が設立されました。そしてそれを一歩前進させて「日本で先行して新薬を承認していこう」と平成26年6月に厚生労働省が掲げた「先駆けパッケージ戦略」や「日本再興戦略、改訂2014」を踏まえて導入されたものがこの制度です。この制度は、①新薬の画期性②対象疾患の重篤性③新薬の有効性④国内開発・申請の意思など、一定の要件を満たす画期的な新薬などについて、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取扱いをすることで、承認審査の期間を短縮することを目的としたものです。

図解すると、、、


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昨日4月8日に発表された品目は、昨年11月までに申請があった医薬品40品目、医療機器・体外診断用医薬品15品目、再生医療等製品13品目、計68品目について評価を行い、結果として、医薬品5品目、医療機器・体外診断用医薬品4品目、再生医療等製品2品目、計11品目が「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定されました。
 この中の再生医療等製品の2品目が、オンコリスとサンバイオの製品だったわけです。

ご参考:「先駆け審査指定制度」→先駆け審査指定制度について|厚生労働省

 www.mhlw.go.jp > ... > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 医薬品・医療機器 - キャッシュ

 ここで注意しなければいけないことは、この制度に選ばれたからと言って、将来(承認)が約束されたわけではないということです。どれも未だ開発段階であり(中にはⅠ相の途中というものも含まれています)、期待した効能が発揮されずに頓挫したり、予期せぬ副作用で開発が中止されてしまう可能性も十分あるということです。
そして、この制度は承認までの期間短縮・スピードアップが主眼であり、研究開発費の援助などは基本的にはありません。
ただ、「栴檀は双葉より芳し」とも言いますので、選ばれて悪い気はしませんし、有効性が実証されれば、早期承認の可能性が上がることも事実です。
今回の承認分も含めた、これまでに承認された品目は以下の通りです。品目は以下の4つのカテゴリーに分かれています。

上から4つ目(再生医療等…)に、オンコリスバイオとサンバイオの記載があります。

特に言及したいのは、中外製薬の決定です。

「資本業務提携契約締結、ライセンス契約総額500億円以上」は、オンコリスバイオから見れば申し分のない条件だと思います。ただ、その有効性は未知数です。先駆け審査指定制度のコメント欄にあるように「国内での2つの臨床研究・臨床試験(計17例)が実施されており、高い有効性を示唆する結果が得られた」とありますので、大規模な治験結果とは言えません。一見、中外の勇み足にも見えますが、成就しないリスクも飲み込んでの今回の中外の決定は、国内大手製薬会社の使命とも言えます。このリスクテイクが新薬の誕生に貢献していくとみるべきでしょう。また、500億円をポンと支払うわけでもなく成功報酬的な要素もあり、中外の皮算用も悪くはないと思います。

「先駆け審査指定制度」対象品目決定の日に、中外との契約が発表されたということは、「指定対象品目に決まったら、ライセンス契約する」という双方での根回しが出来ていたのだと思います。

この隙間のない連続性は重要で、「長期のホルダーが、厚労省の発表で値上がりしたので利確のため一旦売ってしまった。そのあと間を置いて中外の発表が出て株価は上がってしまい、指をくわえて見ているしかなかった」というのを未然に防いだのではないかと思います。

また、一番上(医薬品…)には楽天メディカルジャパン(RMJ)のAPS-1929(頭頚部がん、光免疫療法)が含まれています。理研古関先生のライバルとも言えますが、やはり「光免疫療法」は魅力的なパイプラインです。ただ、楽天の株価はあまり反応していません。もし、RMJが上場していれば、ストップ高だったのではないでしょうか(楽天株価:本日1,114円(+24円)。

がん免疫療法というフィールドに、様々なニューカマーが参戦してくる、そしてそれが魅力的であれば否定せずに投資先に加えていく、という柔軟な姿勢も個人投資家には必要です。案外、三木谷さんのような門外漢の直感が道を切り開くかもしれません。

ご参考:楽天メディカルJのプレスリリース→

prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/43244 - キャッシュ

なお、この先駆け審査指定制度は、再生医療や癌だけが対象ではありませんので、上記4条件を満たす製品等であれば、申請は可能です。

これまでどのような申請があったのか、興味のあるところですが、落選者名を明らかにすると、研究意欲が減退し、株価にも悪影響ですので、そのあたりは判らない方が良いのかもしれません。 

追伸・・・周辺情報を拾い上げるのも、飽きてきましたので、ブライトパスの新たな展開に期待します!!!

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