記事→先週の金曜日、ブライトパスからIRが出ました。ただ、内容は「コーポレート・ガバナンス」に関するもので、やや肩透かしではありました。
⇒コーポレート・ガバナンスに関する報告書 2019/04/12(165KB)
この時期に、このIRが出た背景について、ブライトパスに問い合わせたところ、「3月15日のIRで子会社を整理し単体決算となった。それに伴いコーポレートガバナンスの文言を一部改訂したので、東証とも相談して、IRという形でリリースしました」とのことでした。
事務的な伝達を目的としたIRだったと言えます。
上場企業にとっての「コーポレート・ガバナンス」とは何か?少し、おさらいしておきます。
1.そもそも、上場企業の不祥事などで、過去に株主や顧客などステークホルダーが不利益を被るようなケースが発生していました。このような事態を未然に防ぐために、各企業には「コーポレート・ガバナンス」を策定し、これを公表し、実行していくことが求められるようになりました。
2.日本取引所グループでは、このような背景を踏まえて、「コーポレート・ガバナンスコード」を掲げて、上場企業に対しガイドラインを示しています。以下が直近の「コーポレート・ガバナンスコード」です。
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コーポレートガバナンス・コード(2018年6月版) |
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内容を要約しますと、「コーポレート・ガバナンス」を具体的に「会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する」と定義した上で、
①「株主の権利・平等性の確保」
②「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」
③「適切な情報開示と透明性の確保」
④「取締役会等の責務」
⑤「株主との対話」
の5つを「基本原則」としています。
3.マザーズとジャスダック所属企業(ブライトパスはこれに該当)には、この「基本原則:5原則」を踏まえた「コーポレート・ガバナンス」の策定が求められています。
なお、1部2部に所属する企業に対しては、「基本原則:5原則」の他に「原則:31原則、補充原則:42原則」を加えた合計78原則を踏まえた策定が求められており、求められるハードルは、マザーズやジャスダックと比較すると高くなっています。
4.これらの策定状況の現状ですが、以下の対応状況調査(2019.2.21)を見ると、1・2部上場企業計2,621社、マザーズは275社、ジャスダック725社となっています。
マザーズには278社(2019年3月5日時点)が上場していますので、ほぼ100%の企業が策定しているようです。
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コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果(2018年12月末時点) |
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このコーポレート・ガバナンスに魂を入れることが、肝要です。
以上、ご参考まで。