ブライトパス・ストーリー

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記事:久留米大の今後の取り組みについて。

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記事→本日二つ目の記事です。

昨日の久留米大学がんワクチンセンターのHPに「7月20日に第6回久留米大学がんワクチン研究会を開催する」との発表がありました。

そこで、昨年第5回の結果報告(下段に添付)を確認してみると、野口先生の昨年の講演内容の記載がありました。

(昨年第5回の結果報告)

⇒「野口正典先生が特別講演「前立腺がんへのテーラーメイドがんペプチドワクチン療法開発の20年の歩み」として、講演された。

 はじめに、ペプチドワクチン療法や免疫チェックポイント阻害剤療法を含むがん免疫療法の開発やテーラーメイドペプチドワクチン(PPV)療法のコンセプトについて簡単に概説された後、前立腺癌患者に対するPPV療法の開発経緯について説明された。これまで当センターで実施してきた数多くの臨床試験の結果や臨床経験を基に、薬事申請を目指した企業治験を取り組んだ治験では、ペプチドワクチンの特性を考え、これまでの細胞傷害性薬剤や生物製剤とは異なった臨床試験デザインを考慮する必要があった。検証的な第Ⅲ相治験では、日本科学技術振興財団JST)の支援を受け、企業治験として実施してきたが、治験実施期間中に去勢抵抗性前立腺癌に対する新薬(エンザルタミド、アビラテロンなど)が承認され、ペプチドワクチンの有効性を示せなかった。
 今後の方向性として、①これまでの数多くの臨床データを基に生存期間延長に関与するペプチドの優先選択、②進行・再発がんに対する併用療法の開発、③再発予防ワクチンの開発などが考えられると述べられた。」

との記載がありました(太字は私が加工しました)。

「ITK-1の有意差なし」の要因として、

①ペプチドワクチンの特性を考えた治験デザインを考慮すべきだった。

②治験途中から新薬が承認され、ペプチドワクチンの有効性を示せなかった(おそらく、被験者が治験途中で新薬を使ったため、ペプチドワクチン固有の有効性がかき消された、という意味?)

と総括されています。

野口先生は.今年5月下旬からシカゴで開催されるASCO2019でポスター発表されますが、おそらくポスターはこの論調で作成されているのではないかと思われます。

また、今後の方向性として

これまでの数多くの臨床データを基に生存期間延長に関与するペプチドの優先選択。

②進行・再発がんに対する併用療法の開発。

③再発予防ワクチンの開発。

と、今後の展望を示されているので、久留米大はこの方向で進めていく方針と思われます。

ITK-1は、残念ながら現時点では前世代の産物となりました。

ただ、がんという病気を完全根治するのではなく、「死に至らない通常の生活を維持していくというレベルに」がん細胞を抑え込めれば、それはそれで使用価値は十分あると言えます(また、ITK-1は安価)。

まだまだ諦めていない伊東先生や野口先生らの地道な取り組みを見守りたいと思います。ASCO2019への積極的なエントリーは久留米大の意志の表れです。

ASCO2019でのポスター発表が、その再出発の起点となるよう、祈念します。

「平成30年7月30日◆ 第4・5回久留米がんワクチン研究会の結果報告」 ⇒ 詳しくはこちら

追記①:ITK-1の特許権等はまだブライトパスにあります。

追記②:上記第4回の結果報告には、寺崎先生の一昨年ASCOでの口演内容の概略が掲載されています(ITK-1、膠芽腫、第三相結果)。

 

ご参考:ポスター発表とは⇒ ポスターセッション - Wikipedia

ja.wikipedia.org/wiki/ポスターセッション - キャッシュ

 

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