記事→中面先生の書かれた研究紹介(総説)を見つけましたのでご紹介します。
「Glycoforum」という情報紙(媒体)があります。糖質科学分野の第一線研究者によるレビューや総説、研究紹介などを掲載し、専門研究者だけでなく広く興味を持つ人々に紹介し、糖質科学の発展に寄与することを目的として、1997年に開設されました。
その4月号に、完全個別化免疫療法でブライトパスと共同研究を行っているがん研の中面哲也先生の投稿が掲載されています(がん研の清水先生と共著)。
冒頭の部分は以下の通りです。➡
肝細胞がん特異的抗原
Glypican-3 〜がん免疫療法の標的として〜
清水康博、中面哲也 last updated 2019/04/01(2019 Vol.22 (1), A1)
がん治療は、これまで手術・化学療法・放射線療法が主流であったが、第4の治療法としてがん免疫療法が注目されている。近年の免疫チェックポイント阻害抗体の飛躍により1, 2、その効果は疑いようのないものとなった。それらの功績を称えられ本庶佑・ジェームズPアリソン両氏が2018年にノーベル生理学賞を受賞したことは記憶に新しい。このようにさらなる注目を集めているがん免疫療法であるが、効果が高く副作用が少ない治療を実現するためには、優秀ながん特異的抗原の同定が必須である。1991年にBoonらが悪性黒色腫に特異的ながん抗原を同定3して以降、世界中の多くの研究者が新たながん抗原の検索を行ってきた。我々は、2001年に肝細胞がんの特異的抗原としてglypican-3(GPC3)を同定した。これほどがん特異的な発現パターンを有する分子はなく、免疫療法の標的として非常に優れている。今回、この肝細胞がん特異的抗原であるGPC3についての概論を述べる。
「glycoforum4月号」は→
Glycoforum
この総説を読むと、4月10日付け米国「Frontiers in Oncology」で紹介された英文の総説と被る部分が多いので、おそらく中面・清水両先生が「Frontiers in Oncology」を要約して掲載されたものだと思います。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fonc.2019.00248/full
こちらの総説の内容は割愛しますが(ほぼ、上記「glycoforum4月号」と同じ)、総説の最後に、支援を受けているスポンサーの名前が列記されていて、ブライトパスの名前も記載されていました。太字は私が加工しました。
→This study was supported in part by the National Cancer Center Research and Development Fund (25-A-7 and 28-A-8); Health and Labor Science Research Grants for Clinical Research, Japan; and joint research funding from Takeda Pharmaceutical Co, Ltd.; Noile-Immune Biotech Inc.; Ono Pharmaceutical Co., Ltd.; BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.; and Sysmex Co., Ltd. This study was performed as part of a research program of the Project for Development of Innovative Research on Cancer Therapeutics (P-Direct), Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of Japan.