記事→上期も終わり、今日から10月、ブライトパスの上期を振り返ります。
1、まずブライトパスの情報発信は、法令等で報告を求められている決算報告や短信などのIRを除くと、
ポジティブIR・・・・・・1件(GRN‐1201第Ⅰ相結果)
ネガティブIR・・・・・・1件(ITK-1,GRN1301に関するもの)
PRニュース・・・・・・7件(主に学会情報)
リリース・・・・・・・1件(PB2301に関するもの)
でした。学会情報を中心にPRニュースが連続してリリースされたことは、これまでにない取り組みでした。
さらに広報ブログは
4月・・・1件
5月・・・2件
6月・・・2件
7月・・・1件
8月・・・0件
9月・・・0件
でした。最近、広報ブログが出ていません。
また、「お問合せフォームからいただいた質問」に関する回答は、これまで15件出されていますが、9月は第三木曜には出ず、結局9月は出ず仕舞いでした。
以前の「ほぼサイレント」よりは改善したと言えますが、広報ブログや「よくある質問の回答」は、この2カ月間は開店休業状態です。担当者が替わったのでしょうか?
共同研究者やライセンスアウト先など、相手のある場合は仕方ないですが、広報ブログなど、自社でやれば出来ることはキッチリとやってほしいものです。
全体としては、まだまだ不十分であり、今後の改善をおおいに期待します。
2.次に各パイプラインについてですが、
(1)GRN‐1201(キイトルーダ併用)
このPLは競争相手も多く、またITK-1と同類項のペプチドワクチンですから、難易度は相当高いと思います。ただ、成功すれば大きな収益に繋がるので、このPLについては「期待は小さく、されど朗報を待つ」というスタンスです。
ただ、8月5日に発信されたIRでは「現在進められている 第Ⅱ相臨床試験では、 ペンブロリズマブの併用により、ワクチンで誘導された GRN-1201抗原特異的細胞傷害性 T細胞 ががん局所でPD1/PD-L1を介して受ける抑制シグナルから免れることにより、単剤の場合を上回るがん 免疫誘導 が発揮され 、これが主要評価項目の奏効率に結びつく ことが期待されます。実際に、 第Ⅱ相臨床試験 のこれまでの臨床成績は、我々の期待に十分応えるものとなっております。」(太字は私が加工)
と明記されていましたので、どうしても期待が膨らみますが、仮に失敗しても「やっぱりね」と切り替えられる心づもりが必要です。
(2) iPS-NKT
このPLについては、当初計画よりは少し遅れましたが、順調に進捗しています。「今秋に申請、来春には臨床試験開始」(ブライトパスの公式コメントは「今年度中の臨床試験開始」)という計画で進んでいると思われます。
また、9月21日の理研・横浜市大一般公開での講演で「CAR-Tを載せて」iPS-NKTを進化させるというアイデアもあるようで、今後が楽しみです。
(3)BP2301(HER2CAR‐T)
このPLはつい先ごろ(8月19日)発表されたホヤホヤのPLです。以前から永井社長が「iPSを使わない細胞療法」というのがこれです。CAR‐T関連のPLを品揃えに加えられたことは、ブライトパスとしては大きな前進でした。今後の展開を見守りたいと思います。
(4)完全個別化ネオアンチゲンワクチン
永井社長が「The Big Thing」と呼んで注力しているPLです。ここ最近の学会情報の多くはこのPLに関係するものです。この先大変息の長い道のりですが、このPLを外してがん免役療法を語ることはできません。地道に取り組みながら、節目節目で情報を開示していくことで、株価の安定には寄与するものと思われます。
(5)抗体医薬
出る出ると思わせながらなかなかIRニュースが出ませんが、「特許も申請し、製薬会社とも話を進めている」という主旨の永井社長のコメントもありましたので、これも朗報を待ちたいと思います。相手のあることですから、多少の遅れは仕方ないと理解はしています。
PLについてまとめると、(1)は成功度合いは小さいですが、(2)~(5)についてはネガティブな情報が出てくるとは考えにくいと思いますので、各PLごとのポジティブIRを待ちたいと思います。
3.株価の動向
株主総会の6月20日の終値が247円でした。9月末日の終値が322円ですから、+75円(130.4%)の増でした。
株主総会で「株価を意識します」という主旨のコメントが永井社長からありましたが、やはり「実のあるIR」、まずは、抗体医薬のリストアップ・ライセンスアウトなどインパクトのあるIRが待たれます。
4.あとは、手持ち資金の問題があります。今年6月末時点での純資産は46億68百万円です。手持ちのPLを推進し、さらに最先端の新たなPLを揃えていくためには、どこかでワラントを行う必要があります。私見ですが株価600~700円を超えた頃に何か仕掛けてくるのではないでしょうか。そのためにも実のあるIRが必要です。(あくまでも私見)。
5.その他、定かには見えてきませんが、川崎研究所では日夜精力的な研究開発が行われており、また経営陣も精力的に人脈を広げて、最先端情報を取得してPLの伸展、新たなPLの追加、そしてライセンスアウト活動を行っているように推察します。
とにかく今一番欲しいのは「実のあるIR」です。