記事→ここに来てBP2301、BP1401と魅力的なパイプラインを追加した永井社長ですが、バイオベンチャーを評価する重要な要素はライセンスアウト力です。
いかにメガファーマーを説得してライセンスアウトに漕ぎ着けることが出来るか、その能力が、今、永井社長にも問われています。
ここで、2017年5月24日日経産業新聞の記事をご紹介します。
私は、この当時この記事を読んで、永井社長という人物の力量は十分投資に値すると感じました。
以下は記事からの抜粋です。
・09年、グリーンペプタイド(現ブライトパス)のCFOとして入社した永井氏の仕事は製薬会社に出向き頭を下げることだった。
・ITK-1のライセンスアウトのため、国内、外資系を問わず計30社以上を回った。
・永井氏の粘りが実り、独占的なライセンス譲渡契約に漕ぎ着けた。
・メリルリンチ時代から「金融は虚業」とずっと引っ掛かっていた。
・企業人して実体のある何かを産み出すことを人生の目標に据えるようになった。
・富士フイルムとの交渉を通じて生みの苦しみを嫌というほど味わった。ー
残念ながら、ITK-1の上市は叶いませんでしたが、リーマンショック後の当時の状況下で、しかも説得力あるデータも乏しく、免疫療法自体が未だ確固たる評価を得ていなかった環境下で、まったく無名のグリーンペプタイドでライセンスアウトを成し遂げた手腕は、十分評価出来るものだと思います。
誤解を恐れず申し上げれば「バイオベンチャーの評価はライセンスアウトまで仕上げること」で、上市してさらにロイヤリティを得れば万々歳ですが、「PLのリストアップ力とライセンスアウト力」が最もバイオベンチャーに求められる能力です。
今後は、
抗体医薬のライセンスアウト
iPS-NKTのライセンスアウト
GRN-1201(併用)のライセンスアウト
など、ライセンスアウト力を問われる場面が連続します。
ITK-1の時とは比較にならないほど、現在保有するPL群は有望であり、メガファーマーへの説明材料は豊富で説得力もあるはずです。
2020年は、文系社長(一橋大)ならではの総合力と突破力が問われる年です。