記事本文➡️
1、ブライトパスへの質問
先日の会社説明会の動画を観返していましたら、永井社長が「細胞医薬は第Ⅰ相で安全性を確認したところでライセンスアウトする」との説明に気付きました。
私は、iPS-NKTは「第Ⅱ相は自社で企業治験を行う。だからライセンスアウトはⅢ相から」と理解していましたが、Ⅰ相後にライセンスアウトして、そののちライセンスアウト先から委託を受けて第Ⅱ相企業治験を行うということなのか?との疑問が湧いたのでブライトパスに質問メールを投げ掛けていました。
2、会社からの回答
今日、その回答(斜め文字)が届きました。
→「平素よりご支援賜り厚く御礼申し上げます。
おっしゃる通り、iPS-NKTは「第Ⅱ相は自社で企業治験を行う。だからライセンスアウトはⅢ相から」というのが、ベースケースです。
「細胞医薬は第Ⅰ相で安全性を確認したところでライセンスアウトする」というのは、世界のCAR-Tバイオベンチャーが目指す一般的な事業モデルで、BP2301の方では、選択肢の一つとして視野に入れております。
一方で、iPS-NKT細胞療法は、再生医療等新法に基づき、第Ⅱ相企業治験が終わったところで条件付承認を取りに行くことになり、承認・上市後の商用生産に対応可能な製造ラインの構築などが第Ⅱ相試験においては出来ているようにするので、第I相試験で期待を大いに持てる臨床データが出ていれば細胞医薬モダリティにおいてはライセンスアウト要件が整っている可能性があり、その場合は第Ⅱ相試験の最中のライセンスアウトも選択肢の一つとして持てるであろうと考えています。
引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。」
3、まとめ
以上のブライトパスからの回答をまとめると
①iPS-NKTは、早ければ第Ⅱ相の途中でも可能性あり。基本は第Ⅱ相完了後にライセンスアウト。
②BP2301は、Car-Tの例もあり、第Ⅰ相の結果が大いに期待を持てる結果なら、第Ⅰ相完了後にライセンスアウトもあり得る。
従来の常識は、「第Ⅱ相完了後、第三相からライセンスアウト」でしたが、メガファーマーの青田刈りや早期承認制度などの影響で、ライセンスアウトのタイミングは年々前倒しになっています。
これまでは、Ⅰ相開始からⅡ相完了まで、早くても5年以上かかっていて、その間に世界のサイエンスの状況が全く一変してしまい、当該治験が時代遅れになってしまうということも多々ありました。
バイオベンチャーにとっては、前倒し傾向は収益化が早まるので歓迎すべきと言えます。
ただし、安全面をしっかり押さえることは大前提ですが。
抗体医薬のライセンスアウトで時間と資金を稼ぎながら、その先の細胞医薬やワクチン系のライセンスアウトに繋げていくのが理想的展開です。以上、私見です。<>お知らせ:新しいブログ始めました➡️「創薬バイオベンチャー情報通信」