記事→「有意差なし」と聞くと、ブライトパスのITK-1第Ⅲ相やラクオリアのジプラシドンの第Ⅲ相を思い出します。
バイオベンチャー投資家にとって「有意差」は曲者ですので、このアビガンの記事をご紹介します。
ほとんどの一般国民は「1.4倍なら効果あるのでは?」と思うのではないでしょうか?
サイコロを6回振って5が2回出たからと言って「このサイコロは5がよく出るサイコロだ」とは結論付けることは出来ません。回数が少ないと偶然性が排除出来ないからです。
しかし、600回振って5が200回出たら「このサイコロは5がよく出るサイコロだ」と結論出来ます。
これが「有意差あり」です。
アビガンの今回の治験は、被験者わずか89名の小規模な治験であり、これでは余程劇的な好結果(サイコロで言えば、6回中5回も5が出た)が出せない限り、有意差を出すことは出来なかったと思います。
政府の勝手な前のめりの行動や発言が、サイエンスをねじ曲げようとしたわけです。
「主要評価項目で有意差が付かなかった理由として、症例数の少なさを挙げた」という藤田医科大のコメントの真の意味を国民が理解できるよう、マスコミには丁寧に説明して欲しいですが、結果が全てでそれもなかなか難しいのでしょうか。
藤田医科大の先生方に同情します。
なお、ブライトパスITK-1の「有意差なし」は、被験者数が少なかったのではなく、治験進行中に前立腺ガンの他の新薬を多くの治験者が服用したためではないか、と久留米大がコメントしていました。
→アビガン国内RCTの最終結果発表|医療ニュース|Medical Tribune