記事➡️バイオベンチャーの宿命ではありますが、第三者割当増資実施のIRは、あまり気持ちの良いものではありません。
第三者割当増資は、ポジティブIRが連発されている最中であれば、前向きな増資と評価され、株式の希薄化が進んでも、逆に株価が上がる場合もあります。
それとは反対に、ポジティブIRは出ず鳴かず飛ばずのベンチャーの第三者割当増資は、否定的に評価され、株価は下がります。
今回のブライトパスの第三者割当増資は、残念ながらマーケットは後者ととらえて反応すると思われます。
ここで、注目されるのは「希薄率」です。
希薄とは、
時価総額が変わらないと仮定した場合、1株当たりの価値がどれだけ希薄(下がる)化するかという割合です。
今回の場合の希薄率は、20.05%になるとIRに書かれています。
これを機械的にストレートに株価に反映させると118円✕(1ー20.5%)=94円という計算になりますが、すぐに全部(約1000万株)実行されるわけではなく、実際には徐々にマーケットで消化されていきます。
前回の第三者割当増資は、全てを実行するのに約1年間を要しました。
ですから、理論上は、実行される株数に応じて価値が徐々に希薄するわけです。
ただ、マーケットの反応は善かれ悪しかれ、情報を先取りし、理論値を超えた振れ幅で動きますので、株価の動きは未知数です。
また、途中でライセンスアウトなど超ポジティブIRが出れば、株価は高騰し、実行は瞬く間に完了することもあります。
さて、ここからは私の私見ですので、その前提でお読み願います。
今回のIRを詳しく読むと、GRN-1201を含めて、手掛けているパイプラインについて詳細に直近情報が記述されています。
特に細胞と抗体薬については、これまで以上にポジティブにコメントされています。
永井社長時代から探索したiPS-NKTやHer2Car-Tや抗体薬などは、有望な広がりを持っており、今後が期待出来るパイプラインです。
それら有望なパイプラインの研究を継続するためにも、そしてライセンスアウト先との交渉で足元を見られないためにも、潤沢な手元資金は不可欠です。
そのためには、背に腹はかえられず、今回の第三者割当増資に踏み切ったのでしょう。
いくらパイプラインの有望性を今回のIRで語っても、来週の株価は、マイナス面ばかりが取沙汰され、株価は落ち込むと思われますが、もうここまで来れば、お付き合いしようと私は決めています。
ブライトパスの行く末の白黒がはっきりするまで、見極めたいと思っております。
株価は当面は苦しい時期を迎えますが、今回の第三者割当増資も是と私は考えます。
私募社債については、メリデメがありますが、使いかっての良い資金を低利(1%)で前倒しで確保したいのでしょう。
また、貸し手からすれば、株価が上がるかもしれないという期待も込めての私募債のようにも見えます。
いろいろと批判もあるようですが、永井社長は良く頑張っていると思います。その努力が報われる日を待ちたいと思います。