ブライトパス・ストーリー

バイオベンチャー、とりわけブライトパス・バイオ(4594)についての情報を発信するブログです。細かな情報をより深く過不足なく丁寧に発信していきますので、よろしくお願いします。

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記事:ブライトパスバイオのCAR-iPSNKTは何がスゴいのか?

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記事→11月の3連ストップ高に続いて、今週月曜日もまたストップ高(+50円)で終わりました。
火曜日は、50円の半分、25円下げて148円で終わりました。
月曜のストップ高は、具体的なIRが出たわけでもなく、「なんで上がったの?」という読者さんもいらっしゃると思います。
そんな複数の読者さんから「iPS-NKTっていったい何がスゴいの?」というご質問をいただいております。
以下、これまでのオープンにされている事実と私の拙い私見を少し交えて、ご説明したいと思います。

昨年11月1日のIRニュースで、ブライトパスは、「理研からiPS-NKTを導入するオプションを行使した」と発表しました。

1、まず、iPS-NKTとは何ぞや?ですが、
NKTとはナチュラルキラーT細胞のことで、がん細胞をやっつけてくれる頼もしい免疫細胞の親分ですが、このNKT細胞は非常に数が少なく、なかなかがん治療に見合う数量は確保出来なかったのですが、山中伸弥先生のノーベル賞を獲ったiPS細胞を使って、NKT細胞をほぼ無限大(千葉大→理研・古関先生コメント)に増やすことに成功しました。

2、ブライトパスは、この理研のiPS-NKTに目を付けて「これはモノになるかも!」と、オプション権を獲得しました。
「オプションの獲得」とは、判りやすく言うと仮契約のようなものです。「iPS-NKTには興味あるけど、この先成功するか頓挫するか、まだどうなるか判らない。ついては、もし上手く行きそうになったら、その時は本契約しiPS-NKTに関する権利を買います。それまでは他には売らないでね」という仮契約です。仮契約でも多少の費用は理研に支払っていると思われます。
昨年11月に「オプション権を行使」したということは、仮契約から本契約に切り替えて、理研からiPS-NKTに関する権利を買ったということです。
つまり、ブライトパスとしては「これは行けるぞ!」と確信できたのではないかと推察します。
もっと希望的に推測すれば、ライセンスアウト先にメドが付いたので権利を行使した、のではないかと。

3、さらに、期待が膨らむのは、
理研が iPS-NKTに、がん細胞が特異的に細胞表面上に発現する抗原(がんの目印)を認識するセンサーであるキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子を導入し、CAR-iPSNKTを作製したことです。
世界の免疫療法は、既に第2世代に移行したCAR-Tの開発フィールドが主戦場となっています。この最先端のフィールドでの成功が絶対に必要です。
ブライトパスは、CAR-iPSNKTを持ってこのフィールドに参入しようとしているのです。
先日開催された2022年度米国がん免疫療法学会(SITC2022)年次会議で、ブライトパスは世界で初めてiPS-NKTプラットフォームからCAR-iPSNKTの作製に成功したことを発表しました。
iPS細胞由来の免疫細胞をCAR-Tの「T」として用いるアプローチで最も開発先行しているのが米国のFateセラピューティクス社で、2020年に、iPS-NKプラットフォーム(T細胞の代わりにNK細胞を用いる)を使って最大4標的抗原まで指定したCAR-iPSNKを作製して提供する創薬提携契約を、メガファーマであるジョンソン&ジョンソンと締結しています。
また、この2年前の2018年に日本の小野薬品もFateと同様の契約を締結していましたが、昨年11月7日、Fateが作製したHER2CAR-iPST(こちらはNK細胞でなくT細胞)を、小野薬品が固形がん対象に開発・商業化する権利を導入するオプションを行使したと発表しました。

4、上記の通り、
ジョンソン&ジョンソンCAR-iPSNKで、小野薬品はHer2CAR-iPSTです。
J&JはNK細胞、小野はT細胞です。
そして、
ブライトパスはCAR-iPSNKTです!
NK細胞やT細胞ではなく、NKT細胞を搭載しているのです。

5、J&Jや小野薬品にライセンス会うしたフェイト社は莫大なライセンスアウト収益を得ていますが、ブライトパスもこれと同様にプラットフォームをもつ企業ならではの事業展開を進めて行きたいと目論んでいるわけです。

6、がん治療薬のグローバル市場規模は5年後には50兆円と予想されており、その3分の1の「免疫」治療薬の中で、免疫チェックポイント抗体(第一世代)に次ぐモダリティのCAR-Tは、血液がん治療に革新をもたらした第1世代から、固形がん=第2世代へと移行しようと研究開発が進められている「ホット」な領域ですが、ブライトパスはまさにこの領域に対してCAR-iPSNKTを武器に挑もうとしています。

私見ですが、ブライトパスとしては、ライセンスアウトまで、沈黙するのではなく、CAR-iPSNKTに関する情報提供を段階的にリリースしていくことが得策ではないかと思います。
素晴らしい大きなネタですので、過不足なく情報提供していけば、マーケットは付いてきてくれると思います。
そのことで株価をリード出来て、結果として第三者割当もやり易い環境が作れます。

以上、ご参考になれば幸いです。

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