記事→日本時間の11月4日(土曜)午前1時に、米国学会(米国癌免疫療法学会=SITC, Society for
Immunotherapy of Cancer年次会議)において、ブライトパスバイオの二本の研究成果が発表されました。
ニ本の研究成果とは、
①ブライトパスバイオが信州大学と共同で研究開発を進めている自家HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)
②iPS細胞由来NKT細胞を用いた新規他家CAR-T細胞プラットフォームのプロトタイプとなるHER2 CAR遺伝子導入iPS-NKT 細胞(HER2 CAR-iPSNKT)に関する試験データ
の二本です。
実際に発表された資料がこちらです。
①→https://www.brightpathbio.com/img/Azusa_sitc2023_bp2301.pdf
(ピギーバックトランスポゾン法で作製されたHER2-CAR-T細胞の胆管がんに対する抗腫瘍効果)
主な内容は、、、
・PiggyBac トランスポゾン法*1 と抗原提示フィーダー細胞を用いて作製した HER2-CAR-T(BP2301)は、HER2 に対する分子標的薬であるトラスツズマブや抗体薬物複合体 T-DM1 に対して抵抗性を示した。患者胆管がん由来の細胞を用いた in vitro 及び in vivo 試験で、抗腫瘍効果を示した。
②→https://www.brightpathbio.com/img/ea95474800ffadaa48faac6eaa274b50bd8031d1.pdf
(iPS細胞由来HER2 CAR-iNKT細胞のヒト腫瘍移植モデルマウスにおける持続的な腫瘍増殖抑制と生存期間延長効果)
主な内容は、、、
・iPS-iNKT プラットフォーム*
のプロトタイプとして作製した HER2-CAR 発現 iPS-iNKT の投与により、
ヒト腫瘍移植モデルマウスの生存期間が延長することを確認した。このとき、体重減少などの有害な事象は認められなかった。
・HER2-CAR 発現 iPS-iNKT では、HER2 依存的に抗腫瘍効果に関わるインターフェロン-γなどの Th1 サイトカインの分泌促進と IL-10 など免疫抑制サイトカイン分泌抑制がみられた。
というものです。
どちらの研究成果も、具体的なエビデンスにより薬剤の効果がしめされており、一定のポジティブな研究成果です。
これら二本のパイプラインについては、既にライセンスアウト活動を行っているはずですが、今回の研究発表は、単に不特定のメガファーマへのアピールなのか、特定のライセンスアウトへの布石なのか、その辺りは定かではありませんが、今後何らかの動きのトリガーとなると思われます。
まだ発表されていない、資金面の手当てについても気になるところですが、大きなライセンスアウトが決まれば、全てが報われます。