記事→今回もブライトパス事務局の了解をいただき、この速報を書いております。
本日、大雨の中、ブライトパスバイオの株主総会に出席してきましたので、概要をご報告させていただきます。
総会は10時から、恒例のホテルグランドアーク半蔵門の3階会議室で始まりました。
ご参加の株主さんは30名ほど(例年よりやや少なめか)。所用時間は、総会から会社説明会の終了までの約2時間でした。
最初の15分で監査役報告とスクリーンとナレーションによる一通りの説明があり、その後の時間はすべて質疑応答に費やされました。
以下、質疑応答の主な内容を列記させていただきます。ただし、関連する質問をまとめるため、総会の進行とは異なる順番で列記しております。
Q1.→iPS-NKTの第Ⅰ相が完了したが、Ⅱ相には進まないのか?なぜCAR-iPSNKTに転じるのか?
A1.→iPS-NKTの第Ⅱ相には進まず、CAR-iPSNKTの第Ⅰ相への準備に資金を投入する。免疫細胞療法の中でもCar-Tは既に世界で実績があり、このT細胞をiPS-NKTに置き換えたCAR-iPSNKTは有望なパイプラインとして期待できるので、これをメインのパイプラインに据える方針である。
また、Fate社のiPS-NKは成績不調だった。やはり、非改変遺伝子では難しいと思われる。
また、このCAR-iPSNKTの治験は、米国で行う予定である。リモートではあるが、世界的にはリモートでの治験が一般的。また、日本のドクターは保守的でなかなか被験者が集まらない傾向にあるが、米国では集めやすい環境がある。
固形がんではなく血液がんを対象としてのは、CAR-Tの先行社が血液がんでしか成功していないので、血液がんをターゲットとした。
Q2.→CAR-iPSNKTはなぜ単独社でやるのか?
A2.→ライセンスアウト先の製薬会社も最初から大きなリスクは取りたくない。まずは、ブライトパス単独でやって見せることが、必要。
Q3.→プロトタイプでは、何を示す必要があるのか?
A3.→以下の3点
・マウスデータで良いデータを取ること。
・マスターセルバンクでちゃんと作製出来ること。
・純度高く増やせること。
Q4.→GRN1201の失敗は何が原因か?
A4.→スピード感が足らなかったか。ただし、ADCに勝てていたかと考えると難しかったかもしれない(中止したのは妥当)。
Q5.→以前、投資家を引っ張ってくると言う話もあったが、どうなったか?
A5.→まず国内で探したが、バイオに投資するような大型投資家は国内にはいなかった。国外はと言えば日本企業に馴染む海外投資家はなかなか見つからず、日本ベンチャー企業への投資の壁は厚いと感じた。
また、資本を迎えることは否定していないが、資本導入が研究開発の足かせになるようなことは避けたい。
Q6.→一昨日リリースされた第三者割当増資はなぜ3段階なのか?合計希薄率50%は大き過ぎる。
A6.→CAR-iPSNKTの第Ⅰ相の準備と抗体薬のラストワンマイルのデータ取得、この2つの最優先事項の必要資金を計算し、これに見合う資金調達額プランを作成したら、この3段階プランになった(全体像をまとめて示すことが肝要)。
Q.7→株価の低迷はマスコミ対策にあるのでは?この2年間、日経新聞やNHKニュースにブライトパスの社名は露出していない。過去、日経やNHKに取り上げられた時に株価は上がっているが、どうか?
A.7→ご指摘の通り、取り組んていきたい。
Q.8→iPS-NKTの第Ⅰ相の結果は、千葉大、理研、AMEDの三者連名でニュースリリースされるものと思っていたが。
みすみす株価上昇のネタを見過ごしてしまったのでは?
A.8→確かに三者連名でのニュースリリースは出なかった。今後、論文がまとまった段階で、何らかの発表かあると聞いている。
Q.9→抗体薬は、ラストワンマイルとのことだが、ライセンスアウトは最短いつ頃か?
A,9→既にライセンスアウトに向けて、具体的な製薬会社と話を重ねている。ライセンスアウトの時期予測は、投資家への公平性の観点から申し明けることは出来ない。
Q.10→ブライトパス通信など、情報発信は活性化していないが。
A.10→ご指摘の通り。改善していきたい。
Q.11→社長として個人投資家へメッセージをお願いする。
A.11→株価がここまで落ちていることはすべて社長の私の責任である。ただ、今現在のプロダクト(パイプラインや研究成果)は、これまでの蓄積の賜物であり、その価値(企業価値)は確実にアップしている。
これらを踏まえて、投資家さんの期待に応えたい。
(報告は以上)
総会、会社説明会が終わり、永井社長にひと言「体は大丈夫ですか、頑張って下さいよ。辞めちゃダメですよ」と声かけして会場をあとにしました。
ここまで株価が下がっていますので、社長の責任を問う声もありますが、永井社長が一番ブライトパスバイオを熟知しており、社長に最適任者であると、私は思っています。
なかなか現状は厳しいものがありますが、今後も永井社長の手腕に期待します。
以上、ご報告させていただきます。