コーヒーブレイク☕は、ブライトパスとは関係のない私の独り言です。
お忙しい方は、飛ばしていただいて結構です。
先日、テレビで「NHK仕事の流儀プロフェッショナル」を観ていたら、辞書編纂の第一人者である飯間浩明氏が特集されていました。
私が注目した彼のコメントはこうでした。
➡「的を得る」というのは間違いで正しくは「的を射る」だと、一般的には言われているが私はそうは考えていない。
というものです。
事実、三省堂の辞書改訂の会議で、彼一人が「的を得る」を間違いと断言してしまうのは反対だ、と発言している場面が写し出されていました。
「的を得る」は、大間違いだと思い込んでいた私は、?と首を傾げながらテレビを観続けました。
彼の主張は要約するとこうです。
➡「的」は「射るもの」と言われるが、「的」を「物事の核心」と解釈すれば「得る」でも意味はおかしくない。
かなり古い文献でも「的を得る」の使用例は複数発見されている。「的を得る」が、近年の単純な錯誤と決めつけるのは行過ぎではないか、というものでした。
言葉は、生きていて変化していく。辞書の編纂もその変化を捉えて改訂していくべきである。
彼は、両者を併記して解説を加えるのがベストであると主張していました。
結果として→
三省堂国語辞典は「的を得る」という表現を誤用としてこれまで扱ってきましたが、第7版の改版にあたり再検証を実施、結果、「得る」の字義を「うまく捉える」の意と捉えれば「的を得る」も誤用とは当たらないと結論づけ、《「的を得る」は「的を射る」の誤り》という従来の記述を撤回しています。
そのあと、少し調べてみると、誤用と断定していた辞書は、少数派であるということでした。
「目から鱗」のテレビ放送でした。
そして、彼のプロとしての深い洞察力と客観的な資料に基づいた思考の柔軟性に脱帽しました。
これからは「的は得るものではなくて、射る、が正しいよ」と偉そうに指摘するのはやめて「間違いではなくて、今は両方正解ということになってるよ」と控えめに言うように改めます。
追伸:「ブライトパス・ストーリー」とは別に「僕のお気に入りを紹介します」というブログも書いています。➡https://shawshanklife.hatenadiary.jp/about