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リーマンショックから早や10年が経過しました。明日9月15日は、リーマンブラザーズが連邦破産法の適用申請を発表した日からちょうど10年目に当たります。‐
サブプライムローン問題に端を発する金融商品の価格急落により、リーマンブラザーズは、多大な損失を抱えて、2008年9月15日に連邦破産法適用を申請しました。
直前まで、米政府や他の大手金融機関の救済を受けられるとの報道があったので、リーマンの破綻は大きな驚きでした。そして、事態の収拾のため、立案された金融安定化法案が「民間企業を安易に救うのか」という世論により否決されたことも重なり、米国および世界各地の株式市場が大きく下落。金融市場・経済が長くて暗いトンネルに入っていきました。
リーマンショックによりNYダウ平均株価は急落し、その後半年間で約40%下落しました。
リーマンショックが起こった当初、日本にはあまり影響はないだろうと言われていました。ところが、リーマンショックを境に、世界的に金融不安が起こり、世界経済が冷え込み消費も落ち込みました。そのうえ、金融不安から急速な円高が進んだため、輸出産業が大きなダメージを被りました。このため、日本経済はリーマンショックの発生地である米国よりも深刻な景気後退に陥っていったのです。
当時の日経平均の動きを詳しく調べてみると、
リーマンが破綻した2008年9月15日(月)は、日本は敬老の日で休日でした。そのため、マーケットが開いたのは翌日の9月16日(火)で、その日の終値は前日比605.04円安(▲4.9%)の11609.72円でした。この下げ幅を大きいとみるかどうかですが、日経平均の1日の下落率としては、歴代の20位にも入っていません。私も「意外に軽症だな」と感じたのを覚えています。
2008年9月12日(金) 12,214.76円
2008年9月16日(火)11,609.72円 前日比▲605円(▲4.9%)
しかし、その後、日経平均はどんどん下落して、わずか1か月半後にリーマン破綻直前比▲41.4%の7,162.90円まで下落します。
そして翌年の2009年3月10日に、やっとのことで7,054.98円の大底をつけます。このときの日経平均は、リーマン破綻直前比の▲42.2%でした。米国のNYダウは3月9日に大底をつけますが、これがリーマン破綻直後比▲43.4%ですから、火事の出所の米国と同じく、日経平均もNYダウとほぼ同率の下落をしたことになります。
さて、現在の世界の情勢を見回してみると、トランプ大統領、中国経済、中東問題、北朝鮮、原油価格など多くの不確定要素が視野に入っています。日本経済も日銀施策の不透明感など、安定感はまだまだです。ですから、〇〇ショックがいつ起きてもおかしくはない状況です。
ただ、リーマンショックの大底の7,055円から、今はなんと3倍の23,000円を超える勢いです。
また、リマーンショック前の12200円と比較しても、現在の日経平均は約2倍の水準です。
ですから、リーマンの大底で買った人で、そのままホールドしていれば、今は3倍。
リーマンで落胆した人も、リーマン後も売らずにホールドしていれば、今は2倍。
に上がっているということです。
株式の世界で「絶対」はあり得ません。
いつもそのことを胆に銘じながら、身の丈に応じた資金の範囲内で、マクロでは世界・日本の政治・経済の動向、そしてミクロでは投資先企業の動向を理解・検証しながら、投資先と投資資金量を自由にコントロールしていくことが肝要だと思います。
そして、〇〇ショックが訪れて株価が下落したときに、自分はどうするのか?(売るのか、買うのか、静観か)を、この平常時によく考えておくことが必要です。
人間の行動は、理屈に適った行動ばかりでなく、時に情緒的感情的に流されることが、往々にしてあります。そして、それは株の売買において、特に顕著なように思います。
リーマンショックから10年、そんなことをつらつらと想いながら自らのポートフォリオを眺めてみるのも、秋の夜長の楽しみ方のひとつです。
ご参考:
(トヨタの株価)
リーマン前日2008年9月12日:4790円
リーマン当日2008年9月16日:4610円
日経大底2009年3月10日 :2850円(リーマンショックの大底)
本日2018年9月14日 :6848円
(そーせいの株価)※現在価格に調整後株価
リーマン前日2008年9月12日:43円
リーマン当日2008年9月16日:42円
日経大底2009年3月10日 :74円(リーマンショックの大底)
本日2018年9月14日 :1802円