記事→ブライトパスには関係ありませんが、関心の高いニュースですので、記事として取り上げました。
海外メディアが、「中国の病院が、80人規模の患者を対象にした臨床試験に基づいて、アビガンの成分であるファビピラビルが抗HIV薬よりも優れた抗ウイルス活性を持ち、副作用が少ないことを示唆した」と報じたとのこと。中国では、既にアビガンを含めて9本の臨床試験が進行中であり、その中間解析が示唆されているようです。
また、2月21日に神奈川県は政府に対して、新型コロナ感染者へのアビガン投与を容認するよう申し入れたとのニュースも流れています。
それに呼応するように、厚労省加藤大臣は2月22日、「(アビガンが新型コロナ感染症に対して)効果があるかどうか検証し、一定の効果があるということであれば、幅広い医療機関で使えるような状況を作っていきたい」とコメントしました。
アビガンといえば、富士フイルム富山化学の薬品で、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。)が対象の薬品です。
アビガンは切れ味のよい薬剤ですが、新型コロナウイルスとの相性や新たな副作用など、一旦踏み込んでしまえば、未知の領域ばかりです。政府が安易に「藁をも掴む」ことのないよう、慎重な対応を切望します。ただし、許認可の問題はありますが、中国の臨床試験データなどで良好な結果が判明して、国内でも一定の確認が行われ、かつ待ったなしで他に手立てのない重篤患者さんを救う手段としての投与は、検討に値すると思います。
時間を稼ぐためにも、国民一人一人の対策の徹底が肝要です。
なお、富山化学工業は2008年8月まで上場していましたが、富士フイルムのTOB(株式公開買付)によって、今は富士フイルムホールディングス(4901)の子会社となっています。
日経バイオテク(2月22日付)→
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/22/06596/
新型コロナウイルスに対する臨床試験、全調査→https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/04/06513/