記事➡️週末にアップされました5月19日開催機関投資家向け説明会の動画を視聴しました。
資料は既にアップされており、その資料に沿った永井社長の約42分間の説明会動画です。
資料も読み返すと新たな発見がありました。
基本的には、説明会資料に従って説明されますので、新たな情報はありませんが、永井社長のコメントの抑揚や力点の置き方で、判ってくることもありますので、個人投資家には動画の視聴はmustです。
以下、私が意を留めた永井社長のコメントを列記いたします。
「」内は永井社長のコメント
➡️以降は私のコメントです。
1、「前期に約20億円の資金調達をさせていただいて、流動資産は328千万円と、前期に比して微増した。」
➡️まさに「させていただいた」です。第三者割当増資は形を変えた「既存株主の持ち株の目減り」であることを胆に銘じていただきたい。
2、「非臨床の抗体医薬ののデータは、今期下期から順次公表していく予定である。」
➡️このコメントは資料には記載がありませんでした。
3、GRN-1201のスパイダーチャートの説明で「ワクチンのアドオン効果が効いているのではないかと我々は分析しています」
➡️米国で第Ⅱ相実施中のGRN-1201のパートの説明ですが、これまでの永井社長のコメントは「このデータを見て、現地の医師たちがやる気になっています」とか「治験途中でも、ライセンスアウトはあり得ます」など、リップサービスのコメントもありましたが、今回はそのような透視か受けするコメントはありませんでした。これは吉?凶?単なる私の思い込み?
4、「iPS-NKTの第Ⅱ相以降は、当社で企業治験を行う予定で、その前に商業生産を見据えた製造ラインを確立する必要がありますので、そちらの準備を現在進めているところです。」
➡️かなり先を見越しての先行投資ですが、このiPS-NKTについては、かなりの自信を持っているようです。
5、今回新たな資料として、iPS-NKTのライバルとの比較表が示されています。
➡️この表は、iPS-NKTのライセンスアウト活動には不可欠の資料です。
iPS-NKTが、ライバルプレーヤーのパイプラインと比較して、どのような利点があるのか?を示すことはライセンスアウト活動では必ず要求されるからです。
iPS-NKTのみが、NKT細胞をベースにPLを作製しています。先のNHKワールドニュースで紹介されたように「NKT細胞は免疫細胞の中の女王蜂」ですので、確かに期待は持てます。
また、永井社長のコメントの通り「iPS-NKTに関わる理研の特許は広範囲に亘って」いることも、アドバンテージとなってくるでしょう。
今回の説明会で、なぜ永井社長がNHKの報道プログラムに触れなかったのか、少々不満です(笑)。機関投資家はマスコミ報道には敏感ですから。
6、➡️さらに、iPS-NKTのパートの永井社長のコメントから、私見ですが、第 Ⅱ相以降は、固形がんでHER2の領域にターゲットを絞って治験を仕掛けようと考えているのではないかと私は想像します。
なぜなら、この領域は、Fate社を含む他社は手を着けていないからです(上表を参照)。
7、➡️次にBP2301ですが、このパートも新たな資料が添付されました。以下の2枚の資料です。
上の1枚目の資料は、Her2を標的とすることの正統性を示しています。
また、下の資料は、先行している他社治験のいいとこ取りをして、かつ、ウイルス法ではなく、pyggy-bag法を選択することの有効性を説いています。
私見ですが、BP2301についても、かなりの具体的な方向性が固まりつつあるとの印象を受けました。
8、➡️抗体医薬の説明で、直近のトピックスとして永井社長は、
アジエナス社がブレストマイヤーズ社に高額ライセンスアウトした抗体テジットの話をしていました。「昨夜、深夜決まったばかりのホットニュース」としてコメントしていましたが、「テジットの次はTIM3だ」ともコメントしていて、TIM3抗体のBP1210に大きな期待をかけているようでした。
全体を通して、ビッグサプライズはありませんでしたが、いくつかのパイプラインでは、着実な進捗が確認でき、まずまず意義ある説明会でした。
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