ブライトパス・ストーリー

バイオベンチャー、とりわけブライトパス・バイオ(4594)についての情報を発信するブログです。細かな情報をより深く過不足なく丁寧に発信していきますので、よろしくお願いします。

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記事:iPS-NKT、「他家」でも大丈夫か?

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「本契約に基づきブライトパスは、理研統合生命医科学研究センターが進める NKT 細胞
由来 iPS 細胞から再分化誘導した NKT 細胞を用いた新規他家がん免疫療法の技術開発と臨床応用に向けたプロジェクトに参画します。」
これは、今年3月29日にリリースされた「お知らせ」の一部抜粋ですが、私が気になっていたのは「他家」という二文字でした。
「自家」は患者自身の細胞から作り出したiPS細胞で、時間とコスト(1年1億円とも)はかかりますが、拒絶反応の心配はほぼありません。
一方「他家」は他人の細胞由来のiPS細胞ですから、拒絶反応の心配は残るのではないか?
しかも、普通の臓器と異なり、免疫細胞の移植は、移植した細胞自身が宿主を拒絶するというGVHD (移植片対宿主病)の問題があります。

まず、このビデオを見て、ひとつ目の課題への心配は少し軽減されました。
それは、このビデオの前半の山中伸弥先生の話を聴いたからです。
要約しますと
「ごく稀に、他人の体に入れても拒絶反応を起こしにくい細胞の持ち主(スーパードナー)が、この世に存在する。丁度O型の血液は誰にでも輸血出来るのと似ている」
「ただ、その人(スーパードナー)は稀にしか見つからない」
「しかし、倫理上問題ない方法で、その稀な人を最初3人見つけ出した。この3人の細胞で日本人の35%をカバーできる」
「さらに、その後スーパードナーは見つかり、今は20人ほどになっている。その人たちの細胞を採取して、iPSストックで他家iPS細胞を順次作っている」
「だから、拒絶反応の課題は最小限に抑えることが出来る」と。

そして、二つ目のGVHD (移植片対宿主病)の課題ですが、
NKT細胞は、理研の谷口克先生の文献等によれば、その細胞認識の方法からGVHDを誘発しないという特徴があるとのことです。そのことからが、iPS-NKTも他家移植が可能との仮説を立てています。

もちろん、未知の世界への挑戦ですから、失敗も想定しなければなりませんが。

「頭頚部がんを対象とする医師主導治験が2019年度中をめどに開始される計画です。」
ブライトパスのHPの「iPS-NKT」の最後はこう締め括られています。
来年のいつ頃でしょうか?ビッグニュースに期待します。

→ビデオ「iPS細胞を使った「再生医療」の未来~澤芳樹×山田邦雄×山中伸弥×平手晴彦」2018年4月29日


全体では約1時間の座談会ですが、上記の山中先生の話は、開始後12分から始まります。
https://ord.yahoo.co.jp/o/video/RV=1/RE=1537667696/RH=b3JkLnlhaG9vLmNvLmpw/RB=/RU=aHR0cHM6Ly93d3cueW91dHViZS5jb20vd2F0Y2g_dj1tSXJSWU10NS1MVQ--/RS=%5EADBfUtLjfD_9tZYQnnfWwPB6w2LeRM-;_ylt=A2RCKw3voKVb.FEA60J05ft7

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