記事→一夜明けて、新パイプラインBP2301についての私の評価を以下の通り簡単にまとめてみました。
1、ブライトパスは有言実行している。
昨年11月22日の決算報告会動画では、永井社長は一歩踏み込んだコメントを連発していました。
その動画で、最も注目したのは、以下の二点です。
1.「細胞医薬については最初はiPSーTから始めて、現在はiPSーNKTに中心を移して取り組んでいる。これとは別に、今後はiPSを絡めない細胞医薬、CAR-TやTCRーTなどもありますので、そちらの導入・アライアンスを検討している。」
2.「抗体医薬は、PD-1、CTLA‐4などの次々世代の抗体医薬を自社創製で進めている。現在10個ほどのターゲットを進めている。出来た順にパイプラインにリストアップしていきたい。」
このような踏み込んだ発言が、実現していくのか?と注視していましたが、今のところは順調に実行されています。
今回のBP2301は、上記1.を実現したのもです。
これに先立って「GRN‐1201(メラノーマ)第Ⅰ相結果」もリリースしましたので、今のところは有言実行で、十分評価できます。
蛇足ですが、TCRーTについても、水面下で動いているのでしょうか?
また、2.の抗体医薬については、先の株主総会で永井社長から「特許も申請している、相手先製薬会社とも話を進めている」というコメントがありましたので、中身の濃いIRが順次出てくるものと思われます。
2、パイプラインとしても魅力的。
今回のBP2301はパイプラインとしても魅力的です。
CAR-Tは免疫チェックポイント剤と並んで、がん免疫療法の超注目優良株です。しかも固形がん対応の上市薬は未だ世に出ていません。
特許庁のまとめた資料によれば、下表のとおり、世界中を見渡しても、固形がんではP2がやっとひとつ出てきた程度で、まだまだ未知数の領域で競争相手もまだ多くはありません。うがった見方ですが、トップバッターは全てが未知の事案ばかりで苦労や失敗が絶えないもの。二番手三番手は先行者の経験を踏まえて修正していくことが可能です。
日本では、武田や小野薬品が開発を宣言していますがまだ未着手に近い状態。ブライトパスと信州大のBP2301は、CAR‐Tの第一人者中沢先生がパートナーですから、既に多くの貴重な蓄積データがあるはずで、これから取り組んでいけばスピード面でも劣後はしないと思います。
また、あえて希少難事案の骨肉腫を対象としていることも、ブライトパスの戦略性が見て取れます。「条件付き早期承認制度」の活用を視野に入れているように思います(これについては次号ブログ記事で詳報)。
久々に前向きで良質なニュースがリリースされたな!というのが、私の正直な感想です。
今後のブライトパスに大いに期待します。