ブライトパス・ストーリー

バイオベンチャー、とりわけブライトパス・バイオ(4594)についての情報を発信するブログです。細かな情報をより深く過不足なく丁寧に発信していきますので、よろしくお願いします。

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記事:アナリスト・機関投資家向け会社説明会資料について私から質問メールを出していましたが、その回答メールがブライトパスから届きました。そして私のコメントも少々。

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記事➡️結論から申し上げますと、私は今回の説明会資料を読んで、ブライトパスがまだまだ諦めずに「がん免疫療法」に特化して、開発研究に取り組んでいる姿をしっかりと感じとることが出来ました。ただ、情報発信の質と量はまだまだ不十分で、マーケットには伝えるべき情報の10%も届いていません(私見)。そして、そのことが今後の株価上昇のキーポイントになると思われます。

先日、アナリスト・機関投資家向け会社説明会資料がリリースされました。また、それに続いて動画もアップされました。

資料は50ページを越える大部で網羅的な内容でしたので、一読しただけでは、どこがポイントなのか?解りませんので、ブライトパスとしては、どこを強調したいのか?を尋ねたく思い、以下の質問メールをブライトパスに送っていました。

【ブライトパスへの質問メール】
「昨日更新されました「がん免疫パイプライン」を拝見しました。
新たな情報が盛り込まれているようですが、今回の「がん免疫パイプライン」の更新で、特に注目すべきポイントはどれどれでしょうか?
解りやすくご説明いただくと助かります。」

【ブライトパスからの回答】

「平素よりご支援賜り厚く御礼申し上げます。
当社のCorporate Presentation をご覧いただき、ありがとうございます。
ポイントは、以下のとおりです。

iPS-NKT
医師主導治験が開始され、10月にFPIを行いました。すでにお知らせしているとおりではありますが、当社では商業生産を見据えた製造工程の開発を行っております。

BP2301
担がんマウスの腫瘍リチャレンジ(がん細胞再移植)モデルにおいて、ステムセル・メモリー型のCAR-Tが多いことによる体内でのCAR-T細胞の維持、すなわち、がん細胞を駆逐した後でも新たながん細胞が出てきたときに活性化して殺傷する能力を維持したメモリー状態で残っていることが示され、コンセプトをさらに裏付けられました。
現在、臨床試験に向けて製造準備を含む非臨床試験を進めています。

BP1101
完全個別化ネオアンチゲン・ワクチンは、一人一人違うワクチンを従来のワクチンと同じように薬効をマウスモデル等で確認してから投与すると、準備に時間がかかって日々増殖するがんの治療に間に合わなくなるので、がん免疫を誘導するとアルゴリズムが予測したワクチンを投与します。
弊社ではバイオ・インフォマティクスの技術を駆使して、この予測アルゴリズムを構築しておりますが、果たしてその予測アルゴリズムがはじき出したワクチンは、本当にがん免疫を誘導するのかは確認しておく必要があります。
今回は、その確認が終わっていることをお示ししました。予測アルゴリズムで選択されたペプチドを、ヒトHLAを組み込んだトランスジェニックマウスに投与して、免疫が誘導されていることと抗腫瘍効果を確認できていることがわかり、アルゴリズムが正しくペプチドを選択できていることが示されています。

BP1209
次世代ネオアンチゲン・ワクチンということで、BP1101の効力を増強するアレンジを加えたものとして研究開発中のもので、今回はじめて概要を掲載しました。

抗体医薬に関しては、今回は、BP1206(HLA-DR抗体)とBP1211(PVR抗体)を標的抗原名とともに開示いたしました。

概要は以上でございます。」

上記のブライトパスからの回答を読んで、私が感じたことは・・・

1、iPS-NKTについては、ブライトパスは既に第Ⅰ相後のⅡ相の企業治験に照準を合わせていることが判ります。ライセンスアウトで出来る限り高く売れるよう、スムーズな交渉が出来るよう、商品価値を高めるために製造工程まで確立すべく、開発を進めているようです。

昨年のテレビニュースで、理研の古関先生から「マイルドに効いていく薬」という表現がありましたが、がんを劇的に根治するというより、むしろがん細胞の増殖を抑え込んで、がんを手なずけて囲い込んでしまうような薬を古関先生はイメージしていると理解しました。古関先生のコメントは、上市への道筋が見えていて、iPS-NTKの将来の姿を踏まえているように聞こえました。

Ⅰ相が始まったばかりで、もう「製造工程の確立か?」とも思われるかもしれませんが、ライセンスアウト、そしてその先の上市を出来るだけ早期に実現するためには、この時期から「製造工程の確立」に着手することが必要です。ブライトパスにとっては、賭けの部分もありますが、大きなビジネスチャンスでもあるわけです。

2、固形がん対象のBP2301については、腫瘍リ・チャレンジモデルでの好結果をアピールしています。
BP2301が、がん細胞を駆逐した後に新たながん細胞が出てきたときにこれを殺傷する能力を維持していることを示すマウス試験のデータが記載されています。
これも、付加価値の提示といえます(下図参照)。

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3、BP1101については・・・・
完全個別化ネオアンチゲンワクチンについては、これまで具体的なデータ提示はほどんどなかったように思います。
ですが今回は、具体的なベータを示しています。
その名の通り「完全個別化ワクチン」は、個々人の患者さん毎に個別のワクチンを作製する必要がありますが、ピタリと適合するワクチンを探しだして作製するには、莫大な時間と費用がかかります。今回の説明では、「個別の患者さん毎に適合するであろうワクチンを素早く予測して作製する」という手法を具体的に示して、そのデータも示しています。

ネオアンチゲンの予測アルゴリズム、変異同定➡エピトープ予測➡ワクチン設計➡ワクチン投与、までの工程を示し、更にその選択が的を射ているかどうかを検証し、その検証を行ったデータを示しています(下図参照)。

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この検証結果は、私が最も知りたかったものです。「完全個別化ネオアンチゲンワクチン」は理論は理解できますが、果たして具体的にどういう方法でやるの?という疑問がありました。その疑問に今回のデータは一部応えてくれています。
更に、その選ばれた個別化ワクチンの有効性についても、93.7%の抗腫瘍効果(殺傷率)を示したとのデータまで提示しているのには、感心しました。

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4、BP1209については・・・
更にBP1101を進化させたBP1209(ワクチン結合樹状細胞マーカー抗体)については、BP1101を超える画期的な成果を示すデータを提示しています(下図)。

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永井社長は、動画の中で、取り立てて力説はしていませんが、このBP1209のデータは極めて興味深いものです(永井社長は、もっと丁寧に解りやすくアピールすべき)。
画像をよく見ると、BP1101を説明する数枚の画像には「出所:国立がんセンター東病棟、帝国大学、ブライトパス・バイオ」と隅に書かれています。
一方、BP1209を説明する画像には、「出所:ブライトパス・バイオ」と書かれています。私見ですが、おそらく、進化させたBP1209は、樹状細胞を専門とする川崎研究所の中村CSOが中心となって開発したものではないかと思われます。

5、抗体薬BP1211については・・・
BP1211は、ロッシュやメルクが手掛ける免疫チェックポイント「TIGIT」の相方である「CD155(PVR)」に狙いを定めた抗体薬とのこと。強敵ライバルを避けての戦略的なターゲット選定のようです。提示されているデータによれば、「TIGIT」結合は、十分に防げているようです。



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6、抗体薬BP1206については・・・
これも、今回新たに提示された抗体薬ですが、示されたマウス試験のデータは、クリアーに抗腫瘍効果が出ています。このデータも出来過ぎです。

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BP1211とBP1206は、新たなパイプラインですから、この情報の出し方は、もっと工夫しても良いのではないかと思います。少なくとも、アナリスト向けの説明会で出すのではなく、個人投資家にも公平に伝えるなら、IR情報でリリースすべき情報だと思います。
株価もその方が敏感に上昇するはずです。ポジティブ情報は、もっと解りやすく丁寧にアピールすべきです。

今回の説明会資料は、大部で、どれが新たな資料か判り難く、内容も専門性の高いものばかりですので、アナリストや機関投資家がどこまで理解できたかは疑問ですが、内容をじっくりと吟味していくと、なかなかの成果(途中経過ではありますが)が示されているように思われます(私見)。

今後は、中間観測のデータではありますが、これらのデータを如何にメガファーマに売り込んでいくのか、その手腕が問われるところです。

いずれにしても、冒頭にも書きましたが、ブライトパスが、まだまだ諦めずに「がん免疫療法」に特化して、開発研究に取り組んでいる姿は、私には十分伝わってきました。

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