日経バイオテク「産業革新投資機構が米国ファンドを立ち上げる狙い」➡https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/btomail/18/10/30/00439/
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従来からあった官民ファンドの産業革新機構を改組して出来た産業革新投資機構(JIC)。
旧体制とは異なり「ゾンビ企業の延命など行わない」という触れ込みでJICは発足しましたので、国内ベンチャーやその投資家は、期待感をもってJICの動きに注目していました。
ところが、10月26日、そのJICが、第1号となる認可ファンド(JIC-US)を米国に立ち上げると発表したのです。米国を中心としたバイオや創薬分野のベンチャー企業に投資し、最大20億ドル(約2200億円)まで出資するという。
国内ではなく、なぜ米国で?と肩透かしに合ったように感じた方も多いのではないでしょうか。
ところが、その続報を読んでいくと、それだけではなさそうで、展開次第では、今後国内ベンチャーにも投資資金が回ってくることもあるようです。
この記事(添付)によりますと
1.米国にファンドを設けることで、そのエコシステムを構成する優秀な人材、ノウハウ、知見を獲得し、若手の育成につなげる。
2.日本の製薬企業などと米国のベンチャーの橋渡しをする。
3.日本発のシードの米国での事業化を支援する──といった辺りが狙いのようです。
産業革新投資機構では、このJIC-US以外に、年度内に国内にベンチャーキャピタルや上場企業への投資を行うファンドなどを立ち上げて活動を本格化していく方針ですので、JIC-USで学んだノウハウを国内ファンド運用で駆使出来れば、日本企業・ベンチャー企業にとっても歓迎すべき展開です。
日本ではベンチャー企業が上場しても、その後資金集めに苦慮して立ち行かなくなることが問題として指摘されていました。
今回のJICが突破口となり、長期的視野に立った規模の大きな資金供給可能な投資ファンドが生まれれば、上場後のベンチャーが株式市場で資金調達して成長していくというサイクルが回りだすかもしれません。
今後の展開に注目したいと思います。