ブライトパス・ストーリー

バイオベンチャー、とりわけブライトパス・バイオ(4594)についての情報を発信するブログです。細かな情報をより深く過不足なく丁寧に発信していきますので、よろしくお願いします。

スポンサーリンク

記事:これからのブライトパスのパイプライン戦略を占う。

スポンサーリンク

記事→なんとも不思議な四連休です。東京は、新型コロナ禍と大雨で、目下自宅自粛中です。
そこで自粛時間を利用して、なかなか弾けてくれないブライトパスのこれからのパイプライン戦略について、あれこれと独断で予測してみました。

戦略というほど、大袈裟なものではありませんが・・・

1、まずは、抗体医薬です。

今年3月末に発表された抗体医薬のパイプラインは5本(BP1200、1210、1202、1211、1206)、この中からまず1つのライセンスアウトを希望します。
以下はブライトパスのパイプラインを図表化したものです(ブライトパスHPより)。

f:id:SHAWSHANKlife:20200725213216j:plain

抗体医薬は激戦区ですが、ブライトパスの取り組んでいるPLは「次の次の世代を狙って、既存薬に置き換われる薬剤を目指している」との説明が、先日の株主総会後の説明会で永井社長からありました。
この中で私が注目する抗体薬PLは、抗原未公開の抗原放出促進BP1206です。
高値では売れなくとも、まずは、中村CSO の研究成果を結実させて欲しいものです。
抗体薬は臨床前のライセンスアウトも一般化しており、ライセンスアウトの時期は、あるとすればそう遠くはないと思われます(私見)。

2、次は、iPS-NKTです。

このパイプラインは、当初は余り注目されていなかったiPSーNTKです。
2018年3月29日に、そのIRはリリースされました。→
https://pdf.irpocket.com/C4594/VKXr/khFV/v2RN.pdf

当時は細胞療法では「iPS-T」というPLがありましたので、重複感があるなと感じました。
ところが、その年の7月13日に「東大、順天堂大とのiPS-Tに関する共同研究を解消」するというIRが出ました。
その後、iPSーNKTについて色々調べていくと、iPSーNKTは、理研やAMEDの協力に支えられていることや、そもそもNKT細胞は10年も前から理研や千葉大で発見され育てられており、iPSと出会って増幅されたiPSーNTKはパイプラインとして極めて有望であるということが明らかになってきました。
振り返ると、あのPL乗り換えの判断は間違っていなかったと思います(iPS-Tもその後好展開しているようでご同慶)。
ただ、ブライトパスの立ち位置は、第Ⅰ相完了までは「支援」「後押し」というものですから、メディアへの露出は少なく、株価は一時反応するものの持続的な上昇の糧にはなりませんでした。

6月末の「治験第Ⅰ相開始」のニュースでも、大きな株価上昇はなく、肩透かしをくらいました(笑)。

昨日24日、日経新聞記事は興味深く感じました。
あの記事を書いた岩井淳哉氏は、日経の記者ではなく大阪大理学部→東大工広域科学専攻の研究者さんで、しばしば自らの取材を基に詳細な深掘り記事を書いていらっしゃいます。
この記事は、6月30日の「iPSーNKTの治験開始」記事に連動するものですが、iPSーNKTだけでなく世界のIPSがん免疫治療や国内の他の取り組み状況についても言及して、記事全体としては、「今後のIPSがん免疫治療」を展望するという内容に設(しつら)えてあります。
先行するFate社(こちらはNK細胞)の動きはありますが、iPSーNKTは先行集団にいることは間違いありません。
このような趣旨の記事の中で、iPSーNKTが大きく紙面を割いて取材されているということは、注目に値します。

6月30日のニュースリリースは、千葉大、ブライトパスだけではなく、理研やAMEDからも同様のニュースリリースが出ています。まさに、総力戦です。
第二相に向けて、ブライトパス川崎研究所では、受け入れ準備を進めています。
細胞療法は、薬剤作製までは高度な技術を要しますので、第Ⅰ相が終わってからⅡ相の準備をしているようでは企業治験は間に合いません。川崎研究所ではマスターセルバンク製法を前提として既に準備が始まっています。先を見越しての先行投資です。
株主総会後の説明会でも、iPSーNTKについての資料フリップは6枚と多く、永井社長の説明時間も一番長かったように感じました。明らかに力が入っていました。

このパイプラインについては、あまり心配していません。課題は、一点だけ「スピード感」だけです。そして、ブライトパスIR担当は、iPSーNKTについてのきキメ細かな情報発信を行うことが肝要です。節目節目での情報発信でも、株価は十分リードできます。

昨日の日経新聞の記事で「あれっ」と思ったことがあります。
それは、千葉大本橋教授の「NKT細胞はがんをたたく能力は高いが、副作用も強い可能性があり・・・」というコメントです。以前、古関先生は「副作用も小さくマイルドに効く薬・・・」とテレビニュースのインタビューでコメントしていましたので、そ「あれっ」と感じました。第Ⅰ相は主に安全性を調べるので、本橋先生のあのコメントになったのだと思います。
ただ、安全かつ効き目も強いのであれば、私のiPSーNKTへの印象は変わります。併用薬としてだけでなく、単剤でも使える、他の部位への適用拡大も見込める・・・と肯定的に本橋先生のコメントを読みました(私見)。
確かに、総会後の説明会のマウス実験の資料は、かなり期待出来るものでした。

8月お盆明けでしょうか、ブライトパスから「FPI」(最初の被験者への投与)のIRが出てくれることを切望します。
そして、今後のiPSーNTKの動向に注目し期待したいと思います。

3、GRN‐1201ですが・・・

GRN‐1201については、あまり大きな期待はしていません(笑)。
こんな言い方をすると叱られてしまいますが、個人投資家の皆様には、是非ともそれくらいの気持ちで、このPLを見守って欲しいというのが、私の本音です。
GRN-1201は、その名の通り、グリーンペプタイド時代のPLで、ITK-1から繋がっているペプチドワクチンのPLです。
永井社長が、社名を替えたのも、ペプチドからの脱却のためだと思います。
やはり、がん免疫療法の時の流れから見ると時代遅れは否めません。
ですから、余り期待せず・・・と申し上げたわけです。

ところが、先日の永井社長の説明は「大変良い結果が出ている」「そのデータを見て、米国の医師達もやる気になっている」など、前向きなコメントが連発されましたので、私は「?」と驚きました。
確かに、併用剤のキイトルーダは免疫のブレーキをはずす働き、GRN1201はアクセルを踏む働き、これを併用すれば相乗効果で免疫細胞はより活性化する、というアイデアは興味深いものです。
ただ、なかなか思い通りにならないのが、治験です。

ですから、余り期待せずに見守りつつ、もしものホームランを密かに待つ、というスタンスで、私は静観しています。
あと、2年半でステージ2は完結しますが、善かれ悪しかれその前に結論(ライセンスアウトor治験中止)は出てくるのではないかと思ってます。

4、BP2301は期待の星

BP2301は、まだ導入して間もないPLですが、有望なPLです。

株主総会で永井社長が「コロナ禍の中、信州まで何度か出張しました」とコメントされていました。
もちろん、信州大中沢先生との打ち合わせでしょう。コロナ禍の真っ最中に、わざわざ長野まで出張とは?まぁ、悪い話ではないでしょう。

なんと言ってもCar-Tの血液がんでの顕著な実積は、世界が認めるところです。
固形がんへのチャレンジは課題が沢山ありますが、piggyback法を用いた非ウイルス遺伝子改変のBP2301は、マウス試験などの資料を見ても良績ですので、来年度から医師主導の治験を開始して、着実な進捗を期待します。

5、ネオアンチゲン

BP1209は、BP1101に機能が加わる次世代型で、抗原の樹状細胞への送達を上げるためのデリバリーおよび免疫賦活化を上げる工夫を付加したものです。完全個別化ネオアンチゲンの開発は、まずはBP1101を先行させて、その後BP1209を開発していくことを基本路線としています。
このPLが本格的に動き出すのは、まだ先だと思います。おそらくは、国立がん研の中面先生が中心となって進めていかれると思いますが、ブライトパスは、その中心でコーディネーターの役割をしっかりと担ってほしいものです。

ざっと各PLを見てきましたが、創薬ベンチャーの同業者と比べても、ブライトパスのPLは遜色のないものと思います。
ブライトパスには、現路線をスピード感を持って邁進し、また必要な場合は適切な変更対応できるよう、そして、情報発信は、今の3倍返しでお願いします。

以上です。

✳️バイオベンチャーの他のブログを始めました。コチラをクリック・・・
①➡「バイオベンチャー通信」

②➡ステムリム・ストーリー

③➡モダリス・ストーリー

これはバイオに関係ない💬雑記ブログです。➡️ショーシャンクさんの「僕のお気に入りを紹介します!」

スポンサーリンク