記事➡先週金曜夜にアップされた決算説明会の動画を視聴しました。
アナリストや機関投資家向けの説明会ですので、一般個人投資家は説明会会場には入場できません。ですから、参加できない個人投資家との公平を担保するため、投資動向を大きく左右するようなアナウンスはないのが通常です。
とはいえ、口頭説明ですから、少しは踏み込んだ話をして、参加者の好奇心や期待感に応える必要もあるわけです。
ですから、動画でそのニュアンスを読み取ることが出来れば、それは我々個人投資家には貴重な情報となります。また、永井社長の立ち姿、顔色、声のトーンなども参考になります。わずか53人の小企業です。社業の発展にはリーダーたる社長が元気・健康・冷静・アクティブであることが大前提です。
視聴してみてやはりビッグサプライズはありませんでしたが、意欲的かつ具体的な発言もいくつかあり、「まだまだこれからです!」という永井社長の心の声を聴くことができました。
注目した箇所や私の感想(→以下)は以下の通りです。
1、パイプライン(資料10p.)
①GRN-1201
社長コメント:「まず、メラノーマの第Ⅰ相は完了しておりまして、今現在はキートルーダとの併用治験Ⅱ相を進めています」
→このあとの社長の話しぶりや資料の構成を勘案すると、GRN-1201については、メラノーマⅠ相で「安全性と免疫リスポンスの確認」、そして「それを踏まえてのキートルーダ併用第Ⅱ相治験」という流れが前提で話が進んでいる模様です(私見)。
メラノーマ第Ⅰ相結果の発表も近々あるようですが、マーケットの誤解を受けぬように、この流れに沿ったポジティブな主旨内容での発表を希望します。
②完全個別化ネオアンチゲン
社長コメント:「米・独では、この分野の臨床試験が始まっているが、わが社は日本において、先駆けとなる存在になりたいと考えている。」
→「我国初」はマーケットが喜ぶwordでインパクトはありますが、やはり米・独を是非追い抜いて欲しい。今回クローズアップされたオープン・イノベーション型の推進は、研究のスピードアップが主目的のはず。
③抗体医薬
社長コメント:「私どもは次の次の世代の抗体医薬を自社ラボで自主製造しようと取り組んでいる。この分野は、臨床試験前に取引される潤沢なディールフローが世界にある状態。」
→抗体医薬については、早期のライセンスアウトを行ない、足元の売り上げを確保する目論みもあると思われます。2022年度で売り上げ1億円が上場維持基準。
大玉のキートルーダ併用治験やiPS-NKT、完全個別化ネオアンチゲンワクチンがより具体化するまでの息継ぎ策としての位置付けもあるはず(私見)。
2、現状と次のステップ(11p.)
①GRN-1201
社長コメント:「メラノーマは2018年度初頭にlast patient out(最後の治験者が終了する)は完了しておりまして、今はデータをまとめているところ。」「併用治験Ⅱ相は、今年度中のstage1のリードアウトは難しいが、来期中には報告出来るかなと思います。」
→「来年度中の報告」でも、間に合わせるには相当なスピードアップが必要。
②抗体医薬
社長コメント:「複数のターゲットで抗体シーズを作製中です。」「戦略的な意味合いから、ステルスモードで進めています。今期中にはパイプラインのリストアップを予定しています。」
→戦略的ステルスモードとは?期待感は膨らみますが、スケジュールは当初計画よりも遅れていることは事実。スピード感も大事だか魅力あるPLであることが一番です。
以下、その②に続きます。
2、3、4、5、